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Eco-Economy-Update 2006-7

[ハリケーン]ハリケーン被害で新たな段階にリスクの高い沿海地域を見捨てる保険会社《2》

ジャネット・ラーセン

 

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《前半はこちら》[ハリケーン]ハリケーン被害で新たな段階にリスクの高い沿海地域を見捨てる保険会社(1)

 アメリカ南部での最近の相次ぐ強力なハリケーンにより、多くの保険会社は破産に追い込まれ、保険契約者は新たな保険を慌てて探しているものの、ますます困難になっている。ハリケーン多発地域における多くの不動産所有者は、今後数年で保険料率の2〜3倍の上昇に直面するであろう。世界最大の保険会社であるアメリカン・インターナショナル・グループは、メキシコ湾岸にあるいくつかの地域では、新たな保険契約を結ばない。フロリダ州の大手保険会社であるオールステートは、2005年に9万5千件の保険契約を打ち切り、今年はさらに12万件を打ち切る計画である。民間企業がもはや手をださない不動産を保険で保証するために、基本的にリスクの高い地域での開発に助成金を支給して州や連邦の保険業者が参入しているが、多くの場合、たいてい納税者がカバーしなければならない多額の赤字を抱えている。

影響を受けているのは米国南部の州だけではない。オールステートは、ニューヨーク州の2万8千件の保険契約も打ち切っている。オールステートもメットライフも、1938年に伝説的な「カテゴリー3」のハリケーンであるロングアイランドエクスプレスの直接のターゲットとなったニューヨーク州ロングアイランドでは新たな保険契約を結ばない。保険業界向けのリスクモデル化を行う技術会社であるAIRワールドワイドによると、ニューヨーク周辺を襲う「カテゴリー5」のハリケーンでは、960億ドルの損失がでるだろう。また、マイアミでは、同じ強さのハリケーンで1550億ドルの損失を記録するだろう。

アメリカ国民の40%以上が沿海地域に住んでおり、そうした地域の多くは急成長している。アメリカでもっとも急速に人口が増加しているのは、200q近い海岸線をもち、海から30q以上離れた場所がなく、ハリケーンに襲われるリスクがもっとも高いフロリダ州である。ノースカロライナ州からテキサス州までのハリケーンが多発している沿海地域の人口は、過去50年間で1000万人から約3500万人へと3倍以上に増えている。

地球上の10人に1人が、海岸線からおよそ100q以内で海抜10m以下の極めて災害に弱い地域に住み、その上、さらに多くの人々がこれらの地域に移動しているようである。現在、自然災害の損失額の2%以下しか保険でカバーされていない発展途上国では(アメリカでは損失額の半分が保険でカバーされている)、ハリケーンは何十年分もの発展を後戻りさせてしまう可能性がある。1998年にハリケーン・ミッチがホンジュラスとニカラグアを襲ったときには、1万1000人以上が死亡し、両国の国内総生産を上回る損害をもたらした。

より強力なハリケーンとより多くの災害弱者は、経済的、人道的大惨事の原因となる。2000年からの10年間、主なハリケーンでの損害額は、これまでのところ2730億ドルであるが、この額は増加し続けるだろう。私たちが体験してきた気温から外れることは、未来は過去とはまったく異なるであろうことを意味している。気候パターンは、予想がより困難になり、そしてそのリスクの予測はより難しくなっている。

最近、カトリーナで荒廃した土地が放棄されたように、いつか人の流れが方向を変え、多くの人々が内陸部へと移動するかもしれない。それまでの間、問題となるのは、地球の気温を上昇させている「炭素排出量を削減することができるかどうか」ではなく、「炭素排出量を削減させなくても、大丈夫なの?!」ということなのである。
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